強引上司と過保護な社内恋愛!?
「お兄さんとお姉さんはそんなに優秀なんですか?」

「父親からすれば兄は優秀。姉はまぁまぁ優秀。俺は落ちこぼれ」

桧山さんはおどけたように言うと肩を竦める。

兄姉の自慢話し…にしては、浮かない顔だ。

一見すると悩み事とは縁遠そうに見える桧山さん。

しかしながら、優秀な兄姉をもったが故に本人しか知り得ないコンプレックスなんかがあるのだろうか。

私からすれば天性の愛嬌と美貌に要領の良さを兼ね備えた桧山さんは、決して落ちこぼれなんかじゃないと思うけど。

性格は別として。

「私からすれば桧山さんは超優秀です。なんてったって我が部のエースですからね」

私の台詞に桧山さんはハッと目を見開く。

鼻で笑って、当然だろ、くらい言うかと思ったんだけど、素で驚いているリアクションになんだかバツが悪くなる。

出過ぎた事を言ってしまったか。

私は顔を赤くして俯く。

「お待たせしました」

そこへタイミング良くお料理は運ばれて来た。

「わぁ、美味しそう」なんつって微妙な空気を切り替えようとする。

オーダーした鶏もも肉のローストはナイフを入れるとホロりと崩れるほど柔らかい。

一口食べるとバルサミコソースとの相性も抜群で、思わず口元が緩んでしまう。
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