ねぇ、松風くん。




ーーーーーーー

葵には聞こえないように呟いた


「やっぱり…葵って、優ちゃんのこと大好きだと思うけど。」


そんな私の言葉に一瞬で顔を真っ赤にしてしまう優ちゃん。


こんなに可愛くて、純粋で、一生懸命で、おまけに一途なんて葵には勿体無い。


昔からどこか冷めてて、女の子と話してるところなんか見たことないし、口数も少なくて近寄りがたいイメージを与えるだろう。

私だったら、葵みたいな男は絶対に嫌。


でも、そんな葵の事をちゃんと見てくれてる優ちゃんの想いを、姉の私も応援したいし、大事にしたい。


葵だって、優ちゃんと出会ってからだいぶ感情を表に出すようになった。さっきの男子高校生に対しても、あれは完全にただの”ヤキモチ”にしか見えないし。


ったく!葵、早く気付かないと本当に誰かに持ってかれちゃうわよ。




ーーーーー鈍感な弟を持つ綾菜もまた苦労している模様。
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