ねぇ、松風くん。

*名前で呼んで。



***おまけ***


聖なる夜から1週間。

ーーーーーーーその頃 葵は



「む、無理!!」

「……なんで?」

「だって、恥ずかしいよぉ。」


昼休み、目の前には顔を赤く染めて嫌だと首を振る佐々木さん。


「…成宮のこと名前で呼んでるじゃん。」

「だって、そう呼んでって…初めて会った時に。」


そう、いくら俺を名前で呼ぶように言っても佐々木さんは恥ずかしいの一点張り。のくせに、成宮のことはすんなり名前呼び。


だから腹立つって言ってんだよ。


「…ふーん。友達の名前は呼べても、彼氏の名前は呼べないんだ。」

「……松風くん。意地悪スイッチ切って。」


本当は分かってる。
本当にただ、単純に恥ずかしいだけだって事くらい。


でも、他の男の名前は呼べるのに俺は苗字とか気にいらねぇじゃん。
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