ねぇ、松風くん。
自販機についた私は、どんなに遠慮の言葉を並べても”俺に奢らせて”と譲らない潤くんに負けてオレンジジュースを買ってもらってしまった。
「ありがとう。」
「どう致しました!!」
「ふふ、何だそれ。」
少しおどけた様子の潤くんに、思わず笑顔を零す。
「ね、優ちゃん。」
ペットボトルのキャップを開けようと手をかけた私は、自分の上に降りかかった影と潤くんの声に顔を上げた。
「……潤くん?」
そこにはいつもの数倍 真面目な顔をして真っ直ぐ私を見ている潤くんがいた。
「優ちゃん、俺のことちゃんと考えてくれてる?」
「………あの、」
「毎日毎日会いに行っても、やっぱり俺じゃ松風には勝てない?」
泣いてしまいそうになった。あんまりにも潤くんが切なそうに目を細めるから。
「……っ。」
きちんと自分の想いを言葉にして伝えなければいけない、頭では分かっているのにどうしてこうも意気地がないのだろう。