月、満ちる夜に
それが分かって、誰にたいしての贖罪なんだか、と苦笑すると自分の腕を握る香月の力が弛んだ。
「……伊達君」
それでも腕を掴んだまま離そうとしない香月に目を向ける。
困惑した表情で、彼女が言った。
「伊達君、死んだんでしょ? 五百年も昔のことなんでしょ?」
確かにそうだ。
いまさらなにを考えようと遅い。
もう、終わったことだ。
自分は死んで、成仏する方法を探しているだけの幽霊。
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