涙雨
どれくらいの時間が経っただろう。
あたしはずっと床に倒れたままだった。
ドアの隙間から見える光はオレンジ色で、日が暮れる頃だ。
力ずくで立とうとすると1番痛むのが右膝だ。
大きな赤いアザと、血が出ていた。
そんな右膝を庇いながら、あたしは家を出た。
行く当てなんてなかった。
ただ、薄暗い道を歩く。
右膝を庇っている左脚のスネにも大きなアザがある。
頬なんて腫れが酷すぎて麻痺していた。
きっと今のあたしの顔、まるで化け物だよね
しばらく歩いて力尽きたあたしは公園のベンチに座り込む。