青いブレスレット-Second-
ゴンッ。




…なにこの、後頭部を殴られたような衝撃。



「紗奈、大丈夫!?」


舞華ちゃんが頭をさすってくれる。



痛みは物理的なもののようだ。


目の前に、何かが転がる。




「…ん?サッカーボール……?」



「ごめん!ボール取っ………うわ!」




振り返ると………水原くんが立っていた。

しかも、この世の終わりみたいな顔で。



「水原くん…」


「さ、紗奈、もしかしてボール…」



「ちょっと危ないでしょっ」

「サッカーならグラウンドでやりなさいよっ」




…あれ?

なんだかデジャヴな………。



でも、舞華ちゃんと百合ちゃんは超棒読み。




「なんなのあんたたち、これ愛情表現なの?」



理香ちゃんがわたしたちを見て、あざ笑うような顔。



「そ、そうじゃない!紗奈!ごめん!!!」


水原くんは座って、土下座しそうな勢いでわたしに頭を下げた。




「えっ!そんなに謝らなくても、大丈夫だよ!?」

「でも痛かったでしょ!?」



そう言いながら水原くんは、わたしの頭をさする。


心配そうに顔を覗き込んでくる。




…あ、やばい。


絶対わたし、顔赤くなってる。




水原くんの顔が、近い。





パシャッ。




「え?」


水原くんとハモる。


音のする方をパッと見ると、舞華ちゃん、百合ちゃん、理香ちゃん、そして何故か西野くんがこっちに携帯を向けていた。




「ごちそうさまです」



今度は4人の声がハモった。




「え!?何撮ってんの!?」


「いや、仲睦まじい公認カップルをね」


「撮らなくていいから!」


「これはあとでクラスのグループLINEに送っとかなきゃなー」


「…って西野!なんでお前がいるんだよ!」


「ボール取り行ったきりなかなか帰ってこねーからじゃん。ほらイチャつくのはあとにして、サッカーの続き」



水原くんは立ち上がって、西野くんと歩いて行った。



水原くんは、手を振ってくれた。




「紗奈、水原くん下の名前で呼んでたじゃん!」

「えっ!?」

「もう、いつの間に!」
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