青いブレスレット-Second-
あの球技大会の日の帰り道。



その時から、水原くんはわたしのことを「紗奈」って呼ぶようになった。



最初は恥ずかしかったけど、嬉しかった。




「まああんだけ派手なパフォーマンスしたことだし、名前で呼ぶくらい大したことないか」

「うん、もっと進んでるかもしれないしね」


舞華ちゃんと理香ちゃんと百合ちゃんが、うんうんと言いながら話している。



もっと?


………………………!!!!!




「してない!そんなことしてないから!」

「え?してないの?」

「してないよ!」

「ちぇーつまんないのー」



そんなことを話してたら、お弁当が全然進んでなかった。


急に思い出して、卵焼きを頬張る。


すると、百合ちゃんが唐突に言った。



「でもさ、なんで紗奈は名前で呼ばないの?」



…ん?

名前で………?




「ええ!?だって恥ずかしいじゃん!!」


百合ちゃんが、えーと言う。




「なんでよ。水原くんだって喜ぶと思うけどなあ」




長い間「水原くん」て呼んでたのに、それをいきなり「透」だなんて、恥ずかしすぎる………。



できないっ!!!
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