99%のLOVE

伝える目

「お、日向まだいたのか」
この声は秋...
どうしようこんなところ見られちゃった。
でも、日向君から離れたら泣いてる顔見られちゃうし。
私はずっと日向君をほどくことなく抱きしめられたままでいた。
「って、蘭?お前らもしかして付き合ってんのか?」
思わず私は日向君から離れた。
「違う!そういうんじゃなくて!」
「蘭、泣いてんの?」
あ...思わず離れちゃって泣いてたことを忘れてた。
こんな顔見られたくなかったのに。
私が勝手に泣いただけなのに。
「日向、蘭は大事な幼なじみだ。どういう事か説明してくれ。」
どういう事って、私のこと好きとか考えたことないって秋が言ったから泣いたなんて言えるわけないじゃん。
「ち、ちがくて...」
「俺が泣かせました。」
え?日向君が胸を張ってそう言った。
ちがうじゃん、私は、秋のことで泣いたわけで、日向君は私をかばってくれただけ。
なんでそこまでかばってくれるの?
「そうか、蘭、帰るぞ。」
秋に思いっきり腕を捕まれ日向君の横から過ぎ去った。
秋いつもは優しい顔してるのにすごい怒ってるのがわかる。
「待って秋、違うんだよ。」
「違うって何が?」
「別に日向くんに泣かされたとかじゃなくて...」
言えないよ、秋が言ってたこと聞いてたなんて。
「ごめんなんか早まって。俺、蘭と日向が抱き合ってるのを見てそれがすごいショックで。ちゃんと話聞かないで思いっきり腕引っ張っちゃったりして。」
なんで、秋が私と日向君が抱き合ってるのを見てショックを受けるの?
「俺、いつも蘭と一緒にいたから、気付くのがすごく遅くなっちゃった。俺、蘭が好きだ」
秋の目は真っ直ぐ私を見つめていた。
好きって言うのが目だけでも伝わってくるみたいに。
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