without you
「あ・・の、でも、まだ面接待ちの人がいますよ」
「あぁ、いるな。もしかしたら、その誰かは、おまえよりもデキるヤツかもしれないが、俺はおまえを採用すると決めたんだから、それ以上欲張ってもしょうがねえだろ?互いの時間もロスするだけだ」と社長は言うと、ドアを開けた。

そして社長は、面接待ちの人たちに向かって、「はーい、みなさーん。もう帰ってもらっていいですよー。ご苦労さんでしたー」と、元気はつらつに声を張り上げて言った。

・・・やっぱりこの人、学生のときにスポーツしてたんだ。
なんて私は思いながら、「今から“A-spade”に行くぞ」と言った社長に、ついて歩いた。

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