without you
でも、当然ながら、社長の“叫ぶような言い分”に納得できない人もいるわけで・・・。

「え。でも私はまだ面接をしてもらってません!」
「私だって!」
「せっかくここまで来て、もう1時間以上待ってたのに」という声が、あちこちから聞こえてきた。

それでも社長は無視して歩く。
こんな時、私が対応しなきゃいけないのかしらと思いながら、チラッと後ろをふり返ると、面接のときに部屋まで案内をしてくれた男の人が、騒ぎを収めてくれていた。

「あの場は有馬に任せていい」
「はぁ」
「結局、今日あいつらはアンラッキーで、今日のおまえはラッキーだったってことだ。良かったな、木戸・・・・・・」

< 111 / 636 >

この作品をシェア

pagetop