without you
「オークションって言ってもな、そう難しく考える必要はない。だが、競る側、競られる側、相互の信頼関係は絶対必要だ。どんな形にせよ、そのパーティーで初めて会うからな。そいつがどういう人物なのかは、互いにまだ知らない。そこでだ、オークションの参加資格に、男女とも、ある程度の基準を設ける。さらに、オークションというのに抵抗を少なくさせても、そこに付加価値みたいなもんをつけることで、競る女も、競られる男も安心、というわけだ」
「なるほどー」
「あのー、社長。例えば、どのような参加基準を設ければ・・・」
「そーだなぁ。たとえばー・・・」と社長は呟きながらソファから立ち上がると、右横に置いてある、ホワイトボードのところへ行った。

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