without you
「あ・・俺?俺か。まあ、木戸さんの言う通りだな」と言って、戸惑いをごまかすように笑う隆三から、木戸は向かいに座る俺に視線を移した。

こいつに見られてまたドキッとしてしまうとは・・・一体どうしたんだ、俺は!

「どうせ新天地に行くなら、誰も私のことを知ってる人がいないとこじゃないと。“一から”出直すこと、できないでしょ。やるなら徹底してやらなきゃ。でも・・・難しい」
「木戸。人ってーのは、人に傷つけられることもある。だがな、人は一人じゃ生きていけねえんだ。だからおまえはもっと、人を信じて頼ることを覚えるべ・・・ぐわっ!?」


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