without you
それはあっという間の出来事だった。
少なくとも俺にとっては。
たぶん、隆三にとっても。

なっ、なんだ!?
急に前へ引っ張られて・・・うをーっ!

木戸が・・・木戸の顔が、近い。
すげー近い。
息が触れ合いそうなくらいに。

右手で頬杖をついていたはずの木戸は、いつの間にかその右手で、俺のネクタイをつかんでいた。

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