without you
・・・だがこいつはどうやら、力加減同様、俺との距離間も上手くコントロールしてるらしい。
酔ってるくせに巧みだな、こいつ。
とか妙なところで感心してる場合じゃねえだろ俺!

俺は「なに、かな」と、目の前の木戸に聞いた。

穏便に、と自分に言い聞かせたんだが、どうしても恐る恐るといった感じになったのは、まさか自分の秘書にネクタイをグイーッとつかまれるなんて、想像すらしたことがなかったせいかもしれない。
しかも、これはどー考えても口説かれてんじゃねえし。

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