without you
38
家への帰り道に、久遠社長へ何度か電話をしてみた。
でも、社長は電話に出なかった。

・・・スマホ、切ってるのかな。
今は誰とも話したくないのかもしれないと、何となく察しがついた私は、トモちゃんは思ったより元気で、すでに立ち直り始めていること、そして静岡の家へ帰ったことを、社長へメールした。

もしかしたら、トモちゃんがメッセを送って、すでに社長は知ってるかもしれないけど、社長はトモちゃんの動向を気にかけてると思うし。
「余計なおせっかい」と言われれば、まぁ・・それだけのことだ。

とにかく。
二人に関わることは、今日はこれで終わり。
というより、十分過ぎると思っていたのに。

マンションのエントランスで、管理人の皆川さんに呼び止められた私は、そこで、小ぶりの土鍋を渡された。

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