without you
「社長。告白、しないんですか?」
「・・・できない」
「なんで・・あ。まさか相手は人妻!?」
「ちげーよ。俺と同じ独身(シングル)だし、ボーイフレンドもいねえはずだ」
「あら、そうですか。じゃあなんで」
「告白“できない”のかって?・・・怖いんだ、俺」
「え」

自称「意外と小心者」で、他称「怖いもの知らず」な社長(このひと)が、「怖い」って・・・!?
意外な言葉に驚かされた私は、ダテ眼鏡の奥で目をパチパチさせながら、向かいに座っている久遠社長を、まじまじと見た。

< 417 / 636 >

この作品をシェア

pagetop