without you
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「おまえが始まる前ギリギリに来たのは初めてだよな。珍しく寝坊したのか?」
「いえ。あの、えっと・・・・・そんな感じ、です」

寝坊はしてないんだけど・・・本当のことは、言えない。

「そうか・・・。ま、遅刻じゃねえが、俺に“遅くなる”とコールかメールする時間くらいあるだろ?」
「・・・すみません」
「まあいい・・あーやべ、時間だ。俺はもう行くが、気分が悪ければベッドに寝てろよ」と言いながら、ドアに向かって歩いていた久遠社長は、ピタッと足を止めた。

そして「・・あみか」と私を静かに呼ぶと、また私の方に向き直ってくれた。

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