without you
番外最終話~私の人生は、あなたたちとともにある~
一体、いつまで護衛をしてもらわないといけないのか。
いつまでこんな生活を続けなければいけないのか。
たとえ純世さんがそばにいてくれても。
純世さんを愛し、信頼しても。
あいつが本当に私に手出しできないと分かるまで、私は安心して暮らせない。

『手段がないこともないが・・・恐らく長期戦になるよ』
『分かってます。あいつは、こっちが忘れた頃に攻撃をしかけてくる、とても執念深い男だから』

そう。だから、今は寺井さんの「警告」に従って、何もしてなくても、いつかまた、あいつは表立って攻撃をしかけてくる。
自分が思う「敗北」は、決して認めない。
悪い意味で「諦める」ことを知らない男、それが吉見(あいつ)だ。
でも。
この計画は、成功するのか・・いや、成功させなければならない。
それにこの計画は、私に関わる多くの人たちを、巻き込むことになる。
だから・・・この計画は止めた方がいいのかもしれないと、何度も思った。
・・・全てを投げ出して、逃げよう。また。
そうすれば、みんなに迷惑をかけることもないし。
何より、出口のない迷路にずっと迷い込んでいる方がマシだ、とまで思いこんでいた。
でも、それは間違っていた。

『俺に迷惑かけて申し訳ないとか、俺が負担に思ってるだろうと誤解してんなら、今すぐ思い直せ。俺を排除しようとするな』
『俺を信頼しろ、あみか。そしておまえ自身を信頼するんだ』

退職届を出して逃げようとしていた私に、闘う勇気を与えてくれたのは、純世さんだった。

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