魂‐soul‐
開始して五分。

普段と違うところはないか湊は目を光らせたが見れば見るほど全員が怪しく思えてしまう。

あれから一向に喋る気配のない湊を朔馬はじれったい思いで見つめていた。

もともと気が長い方ではなかった。

幼馴染が自分を疑っていると思うと仕方がないと分かっていても腹が立つ。

胡坐を掻いていた足が徐徐に小刻みに揺れていく。

そしてさらに一分がたったころ、朔馬の苛つきは限界に達した。
 
「俺は違うって言ってるやろ!一番怪しいのは雅先輩やん」
 
「朔馬!」
 
武流が声を上げた。
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