魂‐soul‐
秋人の声が途切れ呼吸の音がやけに大きく感じる。

二つ折りにされた紙を開くと、そこには数字の羅列が連なっていた。

『6×2+4×1×*+9×2+6×1+3×2+5×5+4×1+1×2+9×3』

普通に考えると104になるのだがそんな簡単なはずはない。

それに、「*」の意味は何なのか。

頭を捻るが、タイムリミットという時間に邪魔されて冷静に頭が働かない。

それどころか余計なことばかりが脳内を支配する。

どうしてこんなゲームを俺達が?

それに……どうしてあんなにも小さな子が、こんなことを。

深く考えれば、それだけ戦線離脱していく。

今やるべきことは、このゲームをクリアすることだ。

ここで負ければ死ぬのと同じこと。

あの巨大なプラスチックケースに魂を吸い取られ、誰かも分からないやつが自分の身体で生活をする。

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