魂‐soul‐
大抵、暗号に出てくるマークというのは何かに変換するのがセオリーだ。

だが、そうなると残りの数字と+と×の意味が分からない。

頭の中でパソコンをイメージした。

しかし湊は普段パソコンを使うときローマ字打ちにしているため、数字の部分を使うことは滅多になかった。

アルファベットの配置はなんとか思い出せるが、ひらがなは思い出せそうもない。

冷たいコンクリートに片膝を立てて座った。

時計はあえて見ないようにしている。

焦っては駄目だ。

記憶のページを手繰り寄せていると、ふと武流との会話が頭を過った。

あれは、確か情報の授業のとき。

パソコンに向かいながら、作業を進めていると、突然武流が隣で呪文のように呟き始めた。
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