魂‐soul‐
何かあったときにすぐに行動できるよう、立ち上がった。

そのとき、ガシャンと湊のポケットから黒い物が滑り落ちた。

「携帯?」

拾い上げると、それは自分が持っている携帯だった。

「何であいつら、盗らへんかったんやろ」

画面を開くとこの前三人で撮ったプリクラ画像が映った。

男三人で悲しすぎると言いながらも、ノリノリで変顔をしている。

落書きを女子みたいに長々した。

まるで遠い昔のように思える。

アンテナを確認してみたが、予想通り圏外だった。

溜め息をついて閉じようとしたとき、湊の目に「*」のマークが飛び込んできた。

携帯にもあったのだ。
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