魂‐soul‐
「湊!はよ気づけや!」
 
朔馬はモニター越しに怒鳴っていた。

あの後、左へ進んだ二人は大きな和室に辿り着いていた。

だがそこには第二ゲームを仕掛けた張本人、蔵人の姿が。

改めて最終関門のクリア条件を、蔵人から説明された。

向かい側に見える襖が出口であり、あれを開ける方法はただ一つ。

反対側の扉に進んだ者、つまり湊が行き着いた部屋に隠されているスイッチを押すこと。

だが、テーブルに置かれた紙を読んでしまった湊はすっかり信じ込み、ソファで身体を固くしてゲームが終わるのを待っている。

今まで簡単な問題ばかり出していたのはただの時間稼ぎに過ぎなかった。

そして試されているのは湊の方だったのだ。
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