魂‐soul‐
スイッチの存在に気づき探し出さなければいけない。

その間、二人は備え付けの十個に分割されているモニターを見ていることしかできないのだ。

湊の辿り着いた部屋はゲームクリアと同時に試練の間でもある。

湊がスイッチを押さなければ雅と朔馬がゲームオーバーだ。
 
「湊~!」
 
一向に動き出す気配を見せない湊に朔馬は届くはずのない声を送る。

画面を揺すっても何一つ変化はない。

項垂れるように座り込んだ朔馬の肩に雅はそっと手を置いた。
 
「きっと大丈夫」
 
二人の様子を蔵人は黙って見つめていた。
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