俺様な狼上司に迫られて!





どこかで見た天井、風景に

いつかに寝ていたあのベッド。




何か前にも
ここどこですか現象があったような…
なんて思っていたら。






(ぶ、ぶぶぶ部長ぉーーーー?!?!)







目の前に

どアップの美しい部長の顔。



寝起きで掠れた低い声が
私の名前を呼んだ。



寝起きでうとうとしている部長の表情が
また色っぽくて胸がトキめいて…





って違う違う!!!







(な、ななな…?!)







そして やっと意識がはっきりしてきて。

動かない体の原因は
この部長の腕のせいだということにも気づき

私は思わず声を上げた。






「っ!!
静かにしろ!何でお前は毎回朝からうるせェんだ!!」

「部長こそ、何なんですかこの状態は!?」

「……あぁ?!」







部長は私の言葉に

はぁ?!という顔で
怒ったようにそう声をあげて

バッと体を起こす。





…あ、良かった。
今日はお互い服着てるってことは

何事もなかったんですね。





(……ってそうじゃない!!)








「お前…まさかまた覚えてねぇのか?」

「え。」







そう言いながら私も体を起こして
部長を見る。

部長はそれを聞いて

一気にムッス〜っと眉間にシワを寄せて
不機嫌そうに私を睨む。






(お、思い出せ私!
昨日は…昨日は……!!)








…昨日はあれから
部長の家に来たのは覚えてる。



それで部長がワインを
たくさん飲んで…


私も一緒にビール飲んで…














………あ。













「----------。」

「…思い出したか。」









めぐるめぐる
昨日の記憶。


はっきりと蘇ってきて


私は思わず顔に熱を集めて
部長の言葉に返事ができず黙る。

それが私の返事だと言うように
察した部長が

機嫌を直して
ニヤッと笑う。













『……キス、したい。』














(わ、わぁぁぁあああ!!!)







昨日のあの部長の声が
頭にフラッシュバックして

私は思わずベッドにボスッ!!と
顔を隠すように倒れた。








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