夢見のさだめ
◇Ⅷ夢 どんな姿でも……
ランスロット王子から言われた通り、放課後は本当に会えなくなった。


放課後どころかお昼の時間ですら、殆ど一緒に居られなくなった。


食事の時間すら惜しんで勉強している様だった。


『無理しないでね』って言ったのに……。


絶対無理してるよ。


それにやっぱり貴族の人たちから囲まれるようになってしまった。


ドミニク王子程ではないけど、気になってしまう。


けどどこか余裕な気持ちを持っていられるのは、本に挟まっていたしおりの存在が大きいだろう。


今でもしおりの事を気にしてくれているだろうか?


そうならいいなと思ってしまう。



「何にやけてるのよ」

「え!? 別ににやけてないよ」

「幼馴染の私に隠しごとぉ?」



食後のお茶をしていると、ジーナに詰め寄られた。


そう言えば、ジーナにちゃんと話をした事はなかったかもしれない。



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