お嬢様の秘密III
-ユリside-


学園が始まったのは4月19日。


そして次の日、20日は真理亜お姉様の誕生日。


19日に行われた教養テストの結果でクラス分けした後、Aクラスのメンバーでお姉様の誕生日会をすることになった。


新たにSランクに認められた人とも仲良くやっていけそう。


全体的にクラスメイトの出入りはほんの数人だった。


あと秋ごろに最終クラス替えがあるから残れるように頑張らないと。




私は朝からお姉様の誕生日会の指示で大忙しだった。


人に指示出すことなんて初めて……


私の目の前には同じクラスの子や、お姉さまと親しい人その執事が並んで立っている。


男女比はだいたい半々かな。


数日前から企画していたんだけど、最高学年にSランク者がいる場合誕生会を盛大に祝う決まりというか伝統があるらしいの。


その計画を進めるのはみんなを動かすためになるべく上の人....つまり私たち。


「女性の方はホームルームが終わった後、飾り付けをしてくださいませんか?」


「了解ですわ、優莉様。親から仕込まれたデザインセンスでおまかせくださいませ。」


この方は...親が有名なデザイナーかな?


「じゃああなたをリーダーにするわ。皆さんはこの方のご指示で動いていただきたいです。よろしくお願いしますね、絵里さん。」


「は、はい...!」


よし。


「男性の方は...どうしよう玲央?」


私の後ろにずっといた玲央の方に振り返った。


やってもらうこと思いつかないな...


しかも男の子...多くない?


「じゃあ俺が指示しとく...それでいいな?」


「うん、ありがとう。」


「私と夏菜はお姉様を準備が整うまで足止めするから。」


そこまで言った時、後ろのドアが開いた。


「皆さんごきげんよう...。」


やばい、お姉様来ちゃった...。


首かしげている姿に何人かノックアウトされている。


私はお姉様に気づかれないようにして解散の合図を出した。
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