怪しい羊と迷えるオオカミ'S【完】


ピンポン♪


インターホンを鳴らすと中からはーいという声がしてドアが開いた。


「ロック解除したのに中々上がってこないからどうしたのかと思ってたよ」


いつも聞く声よりずっと元気な美祈の声に思わず瑛太は小さく笑う。



「お土産が大きくてね」

コタの手には、白いビニールいっぱいのお買い物。


「買っておくっていったじゃない」

「お土産はこれだけじゃないの」

ドアの死角にいた瑛太の背中を押すマコ。



目の前に現れた瞬間


「もじゃもじゃ!」

「おい、もじゃもじゃって何だよ」

「いや、あの…」


慌てる美祈に玄関口で3人は大声で笑い。


「無理やり誘ってきちゃった」


コタの言葉の後でヨォ!とばかりに瑛太が手を挙げた。



突然の瑛太の来訪に慌てる美祈だけれど

2人にも知ってほしい気持ちは美祈の中にも存在していて



「狭いですけど良かったらどうぞ」

部屋の中へ招き入れた。



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