③愛しのマイ・フェア・レディ~一夜限りの恋人~
 バカをやっている間にも、何とか体勢をととのえると、大神は改めて燈子にピッタリと目隠しをしてしまった。

 うっ、これって何だか…

 一息ついて改めて状況を認識すると、燈子はだんだんと落ち着かなくなってきた。

 薄暗い密室で、男の人とこんなに密着したことは久しく無い。

 しかも相手は、“内面最悪、女の敵” とはいえ、外見は超絶タイプの大神課長。
 今の燈子にとって、ただのオニ上司でしかないとはいえ、1年前にはキスされたことだってある。

 その上、外からは色っぽい囁き声まで聞こえてくるし…

 もー、課長のバカバカッ。
 ムネなんか触るから…変に意識しちゃったじゃないか。
 

 そもそも、鼓動とはこんなに大きなものだったろうか?

 燈子は、後ろの課長に伝わっていないことを、切に願った。
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