泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


そんな、私の声に

郁人は冷めた声で

「俺に関わるな。」

そう、聞いた時もないような低い声で

私に向けた時のない敵意むき出しの瞳で

私を見据えた郁人に、

言葉を失ってしまった。


この一週間で何があったの?

ううん、その前から郁人の様子はおかしかった。

そう考えている私を尻目に郁人は椅子から立ち上がると、私の目の前を通り過ぎて行った。

その時に鼻を掠めた大好きな郁人の柔軟剤の香りに

私の思考回路はもう一度動き始めて、

教室から出て行った郁人を

気づけば走って追いかけていた。


< 175 / 341 >

この作品をシェア

pagetop