泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


「…

郁人は、」

ゴクリと生唾を飲み込んだ私。

早く言って。

その気持ちが大きくて、

そしてゆっくりと口を開いたお兄ちゃんは、
































「…郁人は、疲労と風邪をこじらせたらしい。

あと、盲腸だってさ。
今は手術中

心配はないって、来週には退院できるらしいよ。」

そう優しく笑ったお兄ちゃんに私はその場に崩れ落ちた。

ホッとして、涙が止まらない。

「よかった、よかった。」

ぼろぼろ泣く私を抱きしめてくれたお兄ちゃんの優しが、

暖かくて、優しくて余計涙が溢れた。




< 302 / 341 >

この作品をシェア

pagetop