泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~
「奈緒!」
いきなり呼ばれて振り返ると
だいすきな先輩。
「沙織先輩!」
私は無意識に笑顔になって沙織先輩に駆け寄ると、
「もう、奈緒大丈夫なの?」
と心配そうな沙織先輩に笑って、
はいと頷くと
少しだけ難しい顔をした先輩は
出入り口の一角を指差してあれも?
と聞いてきた。
振り返らなくてもわかる、
きっと郁人と美咲ちゃんだ。
大丈夫なはずない。
だけど、
言葉に詰まりながらも私は
はい、とだけ言うと
洗濯機にゼッケンと洗剤を入れてから、
回すボタンを押した。