泣き虫とヒーロー ~約束の四つ葉のクローバー~


救急箱や、部員の人たちのユニフォームを渡しやすくするために、

1セット1セット並べていく。

だけど、朝はかなり時間が短いから、

やるにも限度がある。

キリのいいところで終わらせて、

私は郁人と教室へと向かった。


2-A に入ると一斉に浴びる視線。


たくさんの人に囲まれる私と郁人。

「あー!よかった!
やっときた!2人は2人じゃないとだめだよ!」

とか、

「夫婦が戻ってきた!」

など、

そして麻友は、

良かったと泣きながら抱きついてきた。

そんな麻友をわたしは抱きしめ返した。

そして、

久しぶりにいつものように授業を受ける。

わたしの隣でうつらうつらしている郁人をつつくと、

眠そうにこちらをむく郁人の顔に笑いをこらえる。

幸せだ。

ずっと、こんな幸せが続いて欲しいな。

青い空を眺めて私は

この幸せがずっと続くと思っていた。


< 87 / 341 >

この作品をシェア

pagetop