第二秘書は恋に盲目
「その、愚痴ったっていうのは何となく覚えてます…。
だけど…、説教なんて本当にしたんですか…?」

「あぁ?」

なぜ疑問系だ?俺が嘘言ってるって思ってんのか?

こいつ、この状況でよくそんなことが言えるな。

「ごめんなさい!
記憶は定かではないんですけど、思い当たる節はあるっていうか…。それもあり得るっていうか…。
お酒入ったら思ってること言っちゃいそうだなっていうか。

本当ごめんなさい」

「どういう意味だよ」

曖昧にぼやかしているが、つまり普段から思ってる本音がこぼれてしまったってことなんだろう。

本音がいつも最善だという訳ではないと、しっかりと教えてやらないといけない。そう心の底から思う。
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