第二秘書は恋に盲目
「笠原さんどうだ、この光景は?」

「え…っと、綺麗ですね」

そこはパーティー会場から一歩外に出たところ。広いプールのような噴水に架かるのは光の道。その道の先にはベルがあって、ここが結婚式で使われていることがわかる。白いウェディングドレスがとても映える構図。

こんな素敵な場所で結婚式を挙げたいです、なんて言ったら、四条さんのことだからどう誤解されるかわからない。

今は、四条さんの動きに注目しておかないと、怒った四条さんに水の中へ突き落とされるかもしれない。
四条さんの性格を考えると、女からビンタを食らうなんて相当屈辱的だろうから。

「笠原さん」

…遂にきた。
どこから来るかわからない衝撃に備えて、拳を握り歯を食いしばった。

「僕と結婚してくれないか!」

ザーという噴水の音が流れる夜の静けさの中、私の頭には機械で加工されたように、四条さんの声が反芻していた。
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