第二秘書は恋に盲目
プルルル
秘書室の電話が鳴った。

「もう、こんなときに…!

はい、こちら日帝ホテル…」

『笠原さん?僕だよ、四条だ。久しぶり』

うわ!なんで電話なんて!
あれから音沙汰なく過ごしてたから、なんとなく忘れようって思ってたけど…、まさか社長にチクる気?

『君との結婚の話なんだけど、無かったことにしてくれないか?実は運命の人に出会ってしまってね。

振り回してしまい悪いが、僕のことはもう忘れてくれ。そりじゃ、お元気で』

「……は?
あの、ちょっと……切れてる」

受話器からはもうプープーという音が規則正しく聞こえるだけ。

「どうかしたのか?」

「いえ、なんでもありません。
会議の資料、こちらに置いておきます」

四条さんの電話の内容は数秒で頭の中から追いやられ、再びパソコンに向かった。
< 311 / 334 >

この作品をシェア

pagetop