君だから恋に落ちた
蒼矢side



キーンコーンカーンコーン



はぁ、やっと終わった____。



大きく伸びをしていると、

包帯で巻かれた手をもう片方の手で抱えてる女の子が、俺の席の前に立ってることに気がついた。


「 どうしたの、その手。 大丈夫? 」


いつものキャラで対応したが、女の子は顔を赤めることなくただ立っていた。


「 何々〜 また告白かぁ? 」


「 違うって。

ごめんな、ちょっと付いて来てくれる? 」


友達の冷やかしがめんどくさいので教室の外に出ると、近くの空き教室に入る


「 で、どうしたの? 」


誰もいない部屋の中、適当に近くにあった椅子に腰掛けた。



「 あ、あの告白じゃ…ない、です。 」


そんな事、とっくに分かってる。


俺の笑顔に動じなかったんだ。


だからこうして人気のない教室まで連れて来た。


俺に目線を合わせず話す姿はなぜか嫌な予感しかしない


「 倉庫に唐沢さんが…います。 」


「 …は? 」


片眉を下げ、訊き返した。



「 それだけです。 」


頭を下げて爽々に出て行く彼女の後ろ姿を見つめ、


首を傾けた。




「 意味、分かんねっ。 」


あいつが倉庫にいるって俺に言うけど、
それ俺に関係あんの?


暁?って子に言えよ



異常なほど、あいつと仲良いみたいだし。



そもそも倉庫とだけ言われても、どこの倉庫か分かんねぇからッ


「 俺には関係ねぇ。 」


そうは言っても一応彼氏だしな……

言葉とは裏腹に心配してしまう俺がいた。




もともと変人くさいあの女と付き合うことにしたのも、あいつが見せる笑顔が頭から離れなかったからだった。


今もあいつの笑顔が頭の中でチラつく



「 チッ、めんどくせぇなっ 」


髪の毛を手でかき乱すとあいつの教室に向かった。


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