君だから恋に落ちた
これ以上聞く気もない俺は、数学の先生の所に行く前に職員室を出た。
なぜ人は、こうも簡単に嘘をつき__
そしてそれを信じる。
だいたい人と違うことはいけない事なのか?
唐沢が人より明るいからってだけで、可笑しいってなぜ決めつける。
担任だったら分かるはずだ。
あいつは可笑しくなんかないって…
そんな大人だから、誰を信じて誰を疑うべきか考えもしない
お前らみたいな奴らは、ただ俺たち子供が面倒くさいだけなんだろ。
だからより歳をとってる方の言葉を、馬鹿なのに自分の方が偉いと自負しているお前らは
分別があるからといって信用するんだよな。
そして自分が損になるかもしれないことに気が付いた時も、自分可愛さになかった事とするのだ。
「 だから嫌いなんだよ。 馬鹿な大人は 」
この世の中で嘘を疑いもせず信じる人間なんて、愚かだ。
非合理的だ。
視線を床に向けながら廊下を歩く
すれ違う女子が俺を見て顔を赤らめていた。
俺の嘘を信じる馬鹿共がっ。
……だが。 気になった。
唐沢は、どうなのだろうと___
嘘を信じるのだろうか。
俺と一緒でつまらない嘘に振り回されるのが嫌いだろうか……
空き教室に早足で向かい、ゴミ箱を覗き込む。
「 あった。 」
あれから何日も経っているというのに、ゴミは未だ捨てられていなかった。
どうせ掃除係がめんどくさがったのだろう
なんにしても助かった。
ポケットから携帯を取り出し、手紙の最後に書かれていたメアドを携帯に打ち込む
キーンコーンカーンコーン
「 タイミング悪りぃなっ…… 」
運悪く、休み時間の終了を告げるチャイムが鳴り
仕方なくポケットに携帯をしまう。
次6時間目だから、メールするのは帰りにしよう
とりあえずメアドを携帯に登録した。
ただそれだけ…
それだけなのに辛かった肩の重みや
胸の内を渦巻いていた嘘に関してのムカムカなどが何処かに吹き飛んでしまった。
今回は特別
そう心の中で、自分が取ってる行動を恐れてる誰かに対し言い訳をした。
___今までの彼女は、電話番号は入れていても、メアドをいれることはなかったからだ。
