ありがとう。そして、さようなら
忠男君とはチャリンコオートレースが事実上の解散以来会ってないし、何をしていたかも知らない。


なんとなく、気まずい感じでもあり、申し訳ない気持ちでもあって、僕らの練習風景を眺めている姿にも、どことなく寂しさがあり追い討ちをかけるように同時のチャリンコオートレースメンバーは申し訳ない気持ちになるわけで…

練習が終わると僕らは忠男君に軽く会釈して帰路に着くような忠男君に失礼な日が続くのだが、それでも毎日忠男は練習を見ていて、
それを見かねたのかどうかは知らないがコーチではないものの、同級生のヒロシ君のお父さんが最初こそ変なオッサンが毎日来てるから要注意人物として見ていたらしいのだが、要注意人物だからこそ、毎日練習を見に来てる真相を忠男君に問いただした所、ヒロシ君のお父さんに忠男君と僕らが同時の仲間だということが判明し、僕らはヒロシ君のお父さん含め監督やコーチ、そして、それぞれの親に今までの忠男君に対する僕らの失礼な態度に叱られた…


でも、叱られて良かった気がする。

このことがあって忠男君ともまた話せるようになったし、忠男君から寂しい姿はなくなったんだ。


ヒロシ君のお父さんから聞いた話しだけど、やっぱり忠男君はチャリンコオートレースが無くなってしまい忠男君にとっては楽しかったチャリンコオートレースというより、友達として慕っていた僕らと会えなくなったことがとても寂しく、それが原因でランニングも止めてしまったようだ…


僕らはそれを聞いて申し訳なさが最上級に達し、以前より増して忠男君を友達として絆を深めた。
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