君の嘘を知らなくて(仮題)
「この家部屋数が少なくて、あたしたち同じ部屋なの」
階段を上りながら苦笑交じりに教えると、
後ろをついて来ている望月くんがピタリと立ち止まった。
「……河西さん、それで良いんですか」
「駄目って言っても、荷物とか運ばれちゃってるし。
今更どうしようも出来ないんだよねぇ」
「……チッ」
……うん?
あたしは1回途中で立ち止まった。
「望月くん?」
「何ですか?」
にっこり、笑顔だ。
「…舌打ちしてない?」
「してませんよ?」
「……そう、空耳かな」
望月くんが舌打ちするわけ…ないもんね?
うん、気のせい気のせい。