ドクター2
その頃実は、なかなか診察室に来ない実加を心配して、クリニックと自宅の間の扉を開けた。
「実加、遅いぞ。
早く済ませるから、来いよ。」
ちょうど実加がクリニックに入るところだった。
「斉藤先生っ!!!
急患です! 」
そういわれ実が振り返ると、診察室に頭から血を流した小学生が、母親に運ばれてきた。
実はすぐに小学生の手当に負われた。
すぐに出血を止めて、レントゲンを撮り、異常が見られないことから、縫合に入った。
終わった頃に救急車を呼び付けて、本当に異常がないか、大学病院で調べるように紹介状を書いて送り出した。
そんな突然の急患も、実には慣れたものだった。
それが終わる頃には、診察時間が始まり、クリニックがスタートした。