愛の歌、あるいは僕だけの星
「え、何に使うの」
『師匠の丸秘レシピを書き留めるのが、弟子の役目でしょうが』
「いつから俺が弟子になったんだよ」
『つべこべ言わない』
どうにも彼女の言葉には逆らえず、仕方なしにそれらも一緒に会計を済ませた。何しろ、家には米もないんだから、結構な量だ。両手にビニールを持ちながら、何とかアパートまで帰った。
あまり綺麗だとは言えない台所の前にたち、「さてと」と気合いを入れて腕まくりをする如月。ジャケットを脱いで、その横に銀也も渋々立つ。
必要な食材を調理台の上にずらりと置いた。卵、ケチャップ、鶏肉、玉葱、人参、ピーマン。
「ピーマン!?」
『ちゃんと栄養摂らないと駄目だからね』
口元に人差し指を当てた如月が、抗議をする銀也を窘めるような口調で言った。どこか意地悪く目を細める如月が憎たらしい。
『それじゃ、藤原君。ちゃちゃっと、下処理をお願いします』