愛の歌、あるいは僕だけの星
「なんだか、夏の墓だけすごい可愛らしくなったな。やっぱり、これくらいじゃないと」
『何を根拠にそんなこと言うかな』
「夏が、好きだと思った花の方がいいだろ?」
あ、線香買い忘れた。そんなことを小さくぼやけば、夏が笑った。
『そしたら、今度は線香の代わりにアロマでも炊いてほしいな』
「……そんなことして、怒られるのは俺じゃないか」
小さく手を合わせる横で、夏のしゃがむ気配がする。
『銀也』
「なに?」
『今日、校舎裏で告られてたでしょー」
「げっ!おまえ、見てたのかよ!」
『うふふ、偶然だけどね。相変わらずおモテになることで、羨ましい限りですねえ』
「別に……、モテたい訳じゃないし。勝手に寄ってくるだけで……。ていうか、お前こそ勝手にいなくなって、教室にも中々戻ってこないし」
『……はあ?なんで、いちいち銀也のとこ行かなきゃなんないのよ』