愛の歌、あるいは僕だけの星
『ごめんね、藤原君』
「何が?おまえ、なんにも悪いことしてないじゃん」
『したよ、悪いこと。だから、ほんとにごめん』
ちらりと銀也を見れば、なにやらしかめっ面をしたまま黙りこくっている。夏は、ムっと眉を寄せて、そして。
『酷い!こんなに一生懸命謝ってるのに、藤原君が許してくれない!』
バッと顔を覆ってうずくまった。
「え、うわ、……如月!?俺の方こそ、ごめん……」
『よかった、許してくれた!』
すぐに、にっこりと笑って顔をあげる夏の目尻には、もちろん涙の一粒も浮かんではいない。それを見て、銀也はじとりと夏を睨む。
「騙したな」
『だってえー』
はあ、とあからさまに大きな溜息をついて、銀也はゆっくりとブランコを漕ぐ。ぐんぐんとスピードを上げて揺れるブランコを、夏は一生懸命視線で追う。