神恋~水神様に恋をした~
歩いて数十分で着いた所は甘味処。
お団子の良い香りがする。
白はこんな所に用でもあるんだろうか。
外に設置してある長椅子には多くの妖怪が座って、美味しそうにお団子を食べていた。
その空いている席に私たちも座る。
「ここは初めてだろう。楽しむと良い。」
みたらし団子と三色団子を頼んだ白は団子には触れず頂いたお茶だけ飲んでいた。
(食べない…のかな)
不思議に思いながらもお団子を手にする。
「ぴす!」
「黒ちゃんにも一口あげるね~。」
お団子を気に入った黒ちゃんは美味しそうに食べる。
手作りだけあって、お餅はとても柔らかく程よく甘く、今まで食べてきたお団子とは比べ物にならないくらいだった。
「食べないの?」
「甘いものは嫌いだ。」
と言う事は、このお団子は私のために頼んでくれたのか。
楽しむと良いって言ってたし。
もしかして、いつも退屈にしてる私を知ってこう言う事してくれた?
(…なーんちゃって)