神恋~水神様に恋をした~


甘味処の次には、髪飾りや家具類等々。
結局、白のしたかった事は分からずじまいだった。

だけど、いろんなお店を見たり楽しんだりした事で私の心はじゅうぶん満たされていた。


「白は何がしたかったの?」

「さぁな。」


私が髪飾りのお店で見つけた素敵な櫛(くし)と髪結い紐は、知らない間になぜか白が買っていた。


薄い赤の背景に、鮮やかな花が散っているデザインが素敵だと思った。

髪結い紐は、魔除けにもなるし、何よりも水色だと言う事に惹かれた。


(だって白の色だから…、)


「欲しかったのだろう。そう言う気持ちは我慢をするな。遠慮せずに言え。」


そう言って、買ってくれたあの櫛と髪結い紐を私にくれた。

静かに、胸がドキドキするこの感じに私は浸る。

こういう風にドキドキするたびに、いつも口から好きが溢れてしまいそうだ。


「ありがとう。」


欲しい気持ちを我慢するな、か。

じゃぁ、白が欲しいって言ったらどうなるのかな。



(ダメダメ、無理に決まってる…)

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