さくら
そのとき若い男が教室に入ってきた。

「みんな席につけー。俺は今日から3年間お前らの担任になる村上だーよろしくなー。じゃあちゃっちゃと出欠とって入学式行くぞー」

みんな席につき始める。
俺の席はここか。苗字が北川だから皆藤優生と後藤暁丈の間だ。
みなみの後ろが新海?あーそうか、下村と新海だから近いもんな。あいつらまだ話してるし。

村上先生が出欠をとり、入学式は体育館で行われるため全員廊下に並ぶ。
1組も並び始めてるな。
あれ?
なんか1組の女子の1人がずっとこっち見てるぞ?ん?俺のこと見てんのか?
あいつも見たことない顔だな。どっかから引っ越してきたのかな。
まだ見てるぞ?なんか気持ち悪いから目そらしとこ。

入学式も終わり、教室に戻ってホームルームも終え、下校の時間となった。

「真子家どの辺?」
「うーん、どういえばいいんだろ…。近くに目印になるようなとこがないからな…」
「この辺はどこもそうだよね。近くに川とか丘とかない?」
「丘っていったら、近くにさくらがきれいに咲く丘があるってお父さんが言ってたな。まだ行ったことはないんだけど…」
「たぶんそれ並木丘だよ!だったらうちと超近いじゃん!一緒に帰ろー」
「うん!」

みなみと新海が仲良さ気に教室を出て行った。
並木丘ってことは俺んちとも近いな…。

「拓海!俺らも帰ろーぜー」

俺も優生と暁丈と教室を出た。
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