そよ風と君
自転車の後ろ
1月。

あれからというもの
私は家に居ることが苦痛で
帰ることに怯え
バイトが終わると
必ず京介から誘わて
遊びに行くようになった。

だけど
なかなかそこには
琢実が現れることは無く
あまり会えずにいた。

【京】『ねぇ、今から遊ぼ!』

【私】『いいよ!』

電話を切って
いつもの噴水公園に行くと
そこには
京介、慎司、修二、陸斗
それから
琢実がいた。

『やったっっ。』

心の中でガッツポーズして話しかける。

【私】『おつかれー』

【京】『おっ、おつかれ!
じゃー、全員そろったし
場所移動しよーぜ!』

【私】『え、何処に行くの?』

【慎】『俺等が卒業した中学だよー』

【私】『中学??
行ってどーすんの?w』

【京】『まだなーんも決めてない!w
じゃー出発だな!
お前は慎司のチャリ乗せてもらえ!
なっ!慎司!ww』

【慎】『お、おう。
つか、京介笑ってんじゃねぇーよ!
お前らもクスクス聞こえてっからな!』

そう言い残して
京介達は先に行ってしまう。

慎司は少し前から
同じバイトを始めて
仲良くなった。

慎司の気持ちにも
私は気付いていた。

だけど思わせ振りは嫌。

慎司とはこれからも
いい友達でいたいから…

【慎】『…じゃー、乗ってく??』

【私】『じゃーってなんだよw
乗せたくないならいいよ?
重いだろうし。
疲れるだろうし。
それに私、歩くの好きだからさ。』

【慎】『そーかよ。
じゃー俺先いくからな。』

そう言って慎司は
みんなの所に行ってしまった。
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