Butterfly
から揚げはもちろん、サラダや煮物も本当にとてもおいしくて、私は「おいしい!」という感想を何度も何度も口にした。


(これを毎日食べられるんだもん。龍平さんと龍一くんは、ほんとに幸せだと思う)


「ママー・・・」

お腹いっぱいになったのか、龍一くんが目をこすりながら玲奈さんの膝でウトウトしだす。

すると玲奈さんは小さな身体を抱っこして、背中をポンポン優しくさすった。

「今日ははしゃぎっぷりがすごかったからね。もうこのまま寝ると思う」

「そっか・・・。疲れちゃいましたね・・・」

「うん。いいんだよ。遊び疲れてぐっすり眠るのが、子供はいちばんなんだから」

目を閉じてすやすや眠る龍一くんは、本当にとてもかわいくて。そして彼を抱きしめる玲奈さんは、とても幸せそうだった。

「さて・・・。ちょっと落ち着いたところで、そろそろ千穂ちゃんの話を聞こうかな」

あやすようにゆっくり身体を揺らしながら、玲奈さんが私を見つめる。

私は当初の目的を思い出し、はっとしたように姿勢を正した。


(そうだ・・・。すっかりくつろいでしまっていたけど・・・)


今日ここにおじゃましたのは、彼との事を進ませるため、相談をしに来たのだった。

いざ話そうとすると、緊張感がピリリと身体を走ったけれど、私はもう、迷わない。

「実は・・・」

ゆっくりと、言葉を選びながら話を進めた。

ホストクラブに行った経緯や、そこであった事件のこと。

元彼である可月さんが、胸の痣を見ようとしたことで、私も関与を疑われ、任意同行を受けたこと・・・。

ずっと隠していたことだけど、津島さんに話をして、何かが吹っ切れたのかもしれない。

お酒の力も手伝って、痣のこともわりとすんなり二人に打ち明けることができた。

「そっか・・・それは大変だったね」
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